• プレスリリース

非流通空き家を借り手の想いで動かす「さかさま不動産」にて29軒目の成約〜西尾市でアメリカンベイクのUターン起業に間借り出店から挑戦〜

 株式会社On-Co(本社:三重県桑名市、以下On-Co)が運営する、物件を借りて挑戦したいことがある人の想いを可視化して貸主を募集するサービス「さかさま不動産」を介して、アメリカンベイク(アメリカ風焼き菓子)で起業を考える若者が愛知県西尾市でマッチングしました。
 本件は、「さかさま不動産 西尾支局」が2022年の開局から着実に積み重ねた地域人脈や情報を繋げた地域リレーションが力となり、成約に至りました。

貸す気も売る気もない空き家が20年で約1.9倍へ

 深刻化する空き家問題。総務省によると、2018年の空き家率は過去最高となる13.6%(849万戸)で、二次的利用や賃貸・売却予定のない長期不在の住宅は41.1%(349万戸)。2030年には470万戸程に増加すると推計されています (※1※2)
※1 総務省 「平成30年住宅・土地統計調査」 ※2 国交省「空き家政策の現状と課題及び検討の方向性」

さかさま不動産の狙い

 さかさま不動産は、家の情報ではなく「借り手」の情報を開示して大家さんが「貸したい人」を見つけることのできるサービスです。従来の不動産流通の仕組みを逆にすることで、「貸す人は選びたい」「この人なら貸したい」「利活用方法や条件次第で貸すことも考える」「家情報を公開せず借り手を探したい」と考える非流通空き家の所有者へのアプローチや、チャレンジ精神を持つ人を地域に誘致するしたい人などに有効となります。最近では「文化的な使い方をしてほしい」「地域が活性化する人に貸したい」という物件所有者からの問合せが増えています。
※サービス開始:2020年6月|HP:https://sakasama-fudosan.com/

借主:魅了されたアメリカ焼き菓子の工房を地元に創りたい

 成約したのは、愛知県西尾市出身の田代世音(せおん)さん(27)。中学生の時から古着ファッション雑誌の影響を受け、アメリカンカルチャーに没頭する中、大学で学んだ建築や空間デザインを活かして大好きなアメリカの焼き菓子を提供するカフェをやりたいと考えていました。大学卒業後は東京のカフェで修行をし、地元の西尾へUターン。愛知でもコーヒーを学び続けながら、マルシェなどで焼き菓子の販売を行っていました。東京や名古屋ではなく、帰ってくると落ち着く地元に貢献したいと考え、西尾で工房を持ちたい想いをさかさま不動産に掲載しました。
▶さかさま不動産掲載記事 https://sakasama-fudosan.com/lessee/bake_stand_ceon-nishio/

オーナー:立ち上げ飲食店に「一緒に地元を盛り上げたい」と声かけ。支局の仲介から意気投合

 物件のオーナーは、保育士から転身して飲食店を立ち上げる牧真澄さん(37)。西尾の中心地で、人が集う飲食店を創りたいと物件を探す中で、交渉の末に元・家具店の空き家を借りることができました。調理や菓子製造のプロを仲間として探していた牧さんは、西尾支局から田代さんを紹介され、地域や食への想いに共感し、意気投合。牧さんは田代さんについて「第一印象は柔らかいけど、話をしているとやりたい熱い想いを感じた」といい、「ここで自分がしたいことを実現してほしい」と挑戦の機会として場を提供。
 田代さんは2024年5月15日にオープンした「本町オーブン」の焼き菓子・カフェ部門を託され、オーナーや他の調理部門担当とともに立ち上げの準備や店舗づくりも行っています。
公式インスタグラム▶https://www.instagram.com/honmachioven/

地域の活性化を担う人材として「さかさま不動産」支局が活躍の場づくりに躍動

 田代さんの「西尾でチャレンジしたい」という想いに「彼女が活躍する場を創ることが、まちの面白さ」と西尾支局が呼応。当初、支局から市街地から離れた倉庫物件を情報提供し検討していましたが、牧さんの飲食店プロジェクトの進捗と双方の取り組み内容から相性がいいのでは、と繋いで実現しました。
 田代さんは今回の間借り的なマッチングについて、自店を持つ前のステップとして大量に作ったり人に教えて協力して行うなどの練習になるほか、店舗経営についても学べると考えています。
 さかさま不動産を通じて表明した挑戦について、地域に応援者や理解者を増やしながら、若者が活躍できるフィールドを作る支局のサポートがありました。さかさま不動産は地域に根付いたメンバーと支局連携をすることで、空き家と挑戦者とのマッチングの先に「挑戦を応援する地域づくり」を目指しています。

地域と連携してフォローする仕組みへ

 空き家が増え続ける一方、借りられる空き家は少ないというのが各地の共通課題。単に空き家を埋める事を目的とせず、どんな人がどう活用するのかを地域側も選ぶ必要性が出ています。
 さかさま不動産では、空き家を介した丁寧な関係性づくりの重要性を感じ、2022年よりさかさま不動産支局制度を開始※。現在は愛知県西尾市など16拠点と連携し、借主貸主からの問合せ対応や地域リレーションのサポートを実施。交流人口拡大や地域活性化・産業の振興に繋がるケースが生まれつつあります。また月1回は支局同士の情報交換を行い、地域を越境した情報共有を図っています。
※さかさま不動産支局:空き家を介した関係性づくりを、風土や課題を理解した人たちが地域密着でフォローする仕組み

今後の展開

 空き家を介した関係性づくりに共感が集まり、全国の自治体やまちづくり団体との連携が広がりつつあります。6月7日には山口県長門市にてさかさま不動産支局が開局され、年内には岐阜県や和歌山での支局開局も予定されています。
 やりたい想いを伝えることで応援者に出会えるプラットフォームとなり、空き家を埋める事を目的とせず、街にとってより良いマッチングを大切にして挑戦を応援する気風づくりを目指します。

さかさま不動産西尾支局について

2011年市町村合併で海辺・農地・中心市街地と特徴の異なる地域が入り混じる地域。中心市街地の活性化を目指しイベント等を担ってきた石川氏と、海岸で飲食店事業を行いながら移住相談等にも答えていた牧氏が中心となり、2022年11月にさかさま不動産の支局を開局。自らが町の中で誰よりも動く者となることをモットーにチームで「挑戦したい人」を応援する。
住所:西尾市鶴ケ崎町6−2(特定非営利活動法人やらまいか人まちサポート内)|電話:090-3569-6346|
メール:hiro109169@gmail.com|担当:石川

株式会社On-Coについて

共同創業:水谷岳史/藤田恭兵|設立:2019年3月|所在地:三重県桑名市西別所1375|事務所:愛知県名古屋市西区新道1丁目13-15昭和ビル(マダナサソウ)|HP:https://on-co.jp/
ミッションは関わる人々の主体性を向上させ、挑戦が溢れる面白い世の中をつくること。強みは社会に必要と感じた概念を具現化すること。さかさま不動産や丘漁師組合、上回転研究所、マダナサソウなどのPJを展開している。

本件に関するお問い合わせ】  窓口:武田   mail:support@on-co.co

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