• マガジン

マッチング32軒目:゛自然と共に生きること”を考える自然環境教育・体験の活動拠点をつくりたい

借主:三重大学で自然環境リテラシーを学び、学生起業。自然環境教育・体験の拠点を探す

成約したのは、松本愛莉さん(25)。入学した三重大学で自然の豊かさや素晴らしさ、自然の中で安全に活動する知識や知恵を人々に伝える力「自然環境リテラシー」について学ぶ実習に出会いました。カヤックを使い、三重の自然や地域について知るこの実習を通して、松本さんは三重の自然に魅了され、翌年以降も実習スタッフとして積極的に関わっていましたが、地域の方々から「ここには何もない」という言葉をよく聞いていました。京都出身の松本さんは、もっと多くの人たちに、三重の自然の素晴らしさに気づき、地元を愛し、守りたい自然、大切にしたい自然を自分の中にもってもらいたい、そのために自分が「自然と人の架け橋」になりたいという気持ちを大きくしました。
 そして京都大学大学院在学中に、自然の素晴らしさやアウトドアで安全に活動する知識や知恵を伝える活動を行う「一般社団法人NELCrew(ネルクルー)」を立ち上げ、その活動拠点を探していました。 

▶さかさま不動産掲載記事  https://sakasama-fudosan.com/lessee/mie_nature/

貸主:明和町の地域資源を活かす人材として松本さんを誘致

未活用漁港を海業再興へ転換
 今回の貸主となるのは、一般社団法人明和観光商社。明和町の地域づくりを担っており、その一つとしてさかさま不動産の支局としても活動しています。
 明和町には大淀・下御糸(しもみいと)2つの漁港があり、うち下御糸漁港はかつて盛んだった海苔漁師が激減して出荷を大淀に一元化し、加工場や倉庫などほとんど使われない施設がありました。観光商社は約2年前から「海業」として港や海、その近隣環境を再度資源として活かせないか取り組みを開始。海業に賛同してくれた下御糸漁港を管轄する伊勢湾漁協から、元・海苔の加工場を借り受けることができ、海業開発の拠点として活用を考えていました。

海に関わる自然体験プログラム開発を一般社団法人NELCrewへ依頼
 商社は海業プログラムの展開において、松本さんが代表を務める一般社団法人NELCrewに地域の魅力を活かした自然体験プログラム作りを委託。その過程で、明和町に活動拠点があると計画や実施がスムーズだろうという話が持ち上がりました。また先述の元海苔加工場が膨大な道具類を保管したり活動をする場所として適しているのではということで、漁協とも相談の上で地域資源開発への共創働きかけや、明和町を拠点とした活動展開のために「みいとベース」が誕生しました

「地域の未来を自分ごととして考え、行動する仲間を増やしたい!」地域おこし協力隊として地域に貢献する人材に

  松本さんとしては、拠点「みいとベース」ができたことで地域とのつながりが強まっていることを実感。近所の方が活動の手伝いに来てくれたり、地元の方が声をかけてくれることも増えています。
 大学院卒業後の進路を考えていた松本さんは、三重県での自然体験活動を通じて「地域の未来を自分ごととして考え、行動する仲間を増やしたい!」と、2024年4月、明和町地域おこし協力隊「自然体験コーディネーター」に就任。明和観光商社に席をおいて、活動を始めました。地域おこし協力隊となったことで地域での活動も広がり、教育委員会と連携して地元の小中学生に明和の自然の良さを知ってもらうようなプログラムも開発。こうした広がりもこの地に根付いた活動ゆえと、さらに精力的です。
 今後、松本さんは子供たちや地域の方々への自然体験の機会を提供することや、継続的・長期的な自然環境教育プログラムの展開を目指しています。観光商社もそうしたプログラムのふるさと納税への展開や、拠点「みいとベース」を軸に町外から来た人や世代を超えて地域内外の人が交流できるような場づくりへに期待しています。

一般社団法人NELCrew

LINEに登録して
最新情報を受け取る