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8件目「大門横丁にネオ駄菓子屋をつくります」

名古屋市大門横丁にて街の人の居場所になるような駄菓子屋開業を目指す、グラフィックデザイナー×ひと+まち+かわの記録写真撮影係のあいざわけいこさん。

コロナ禍により、毎回200名程の子どもが楽しみにしていた大門横丁でのイベントが中止。本エリアには公園がなく、日常的に子どもが道で遊ぶ光景を目にしていたことから誰もが気軽に集まれる場を創りたいと考えるようになりました。また予てから大門横丁の空き家化に課題感を抱えていたのもあり駄菓子屋の着想に至りました。

 大門横丁は全長50m程のアーケードがある築約75年の木造長屋。所有者特定や連絡不能の”所有者不明土地”が多い上、連なる構造のため改修が難しいのが現状です。

 2021年2月あいざわさんは仲間と共に、横丁の地図を基に空き屋の持ち主調査を開始。5軒は持ち主不明や譲渡不可でしたが、1軒だけ連絡可能な物件を見付けました。長年空き家となり老朽化していた元バーでした。

 持ち主は夫の相続整理で物件を入手した三重県在住の女性。あいざわさんから物件購入のオファーをしましたが交渉には至りませんでした。そこであいざわさんは、人柄・活動・想いを知ってもらうべくさかさま不動産に掲載した自身の記事を送付。3日後に「送ってもらった記事を拝見し、素敵な想いで良い活動と思ったので応援したい。ぜひあなたに引き渡したい」と成約へと進みました。

 コンセプトは「みんなで駄菓子屋」。1階は駄菓子屋、2階は子どもたちが宿題を持ち寄れるようなフリースペースとして2021年7月に施工開始。現在あいざわさんの周りでは、コロナ禍で在宅ワークが進み、子育て環境が整ったことによりベビーラッシュが起きており、店番を手伝いたいという仲間も増えているとのこと。また改装はOn-Coが担当。2021年12月にオープンしました。

 元バーだった本物件。実は昭和20年代は駄菓子屋だったことが発覚しました。改築工程で壁塗りワークショップを開催するなど、着々と関わる人が増加中。あいざわさんは「独りでは心折れていました。仲間がいたから頑張れています。自分の場ではなく、関わる人みんなの場にしたいです」と振り返ります。