- マッチング者
26件目「全世代が学び合い、みんなで育て合う交流拠点を作りたい!」
NPO法人代表による「多世代の交流拠点」への挑戦が、長野県辰野町の物件とマッチングしました。
本件は「さかさま不動産 長野支局辰野営業所」が、物件情報の集まる”空き家バンク”と、人情報が集まる”さかさま不動産”の連携スキームを作ることで、成約に至りました。
さかさま不動産×空き家バンクで攻めのまちづくり
さかさま不動産長野支局辰野営業所(以下、長野辰野支局)を展開しているのは、辰野町まちづくり政策課内にある移住定住・各種協力団体が官民連携体制をとる「たつの暮らしの相談所」。2014年からは空き家バンクを運営(登録数約250件・成約率8割)してきた経験から、潜在的空き家を流通させるには、借主・買主の顔が分かる仕組みが必要と感じていました。
そこで2022年に、さかさま不動産支局をスタート。物件情報の公開に抵抗がある所有者には、さかさま不動産の仕組みで「良い借主がいたら連れてきます」や「この人(借主候補)はどうですか」と声掛けをするなど、さかさま不動産と空き家バンクの連携で信頼関係を構築。
結果、空き家バンクの新規登録は1.5倍に加え、これまでは待つしかなかったチャレンジ精神のある人や移住者の情報を入手でき、より良好なマッチングや攻めのまちづくりに向けた環境が整ってきました。
※長野県辰野町:高齢化率約37.70%。1985年の人口23,935人をピークに、年間200人ずつ減少が進む、地方都市から外れた典型的な地域
買主:支局とこまめな情報共有により、最適な物件との出会い
成約したのは、長野県辰野町にて、多世代が学び合う場を展開するNPO代表理事 菊地ユミさん(43歳)。
2年程公民館にてフリースクールを運営していましたが、子どもたちが自由に遊べる場の必要性を感じ、物件を探していました。
そこで2023年秋、「長野辰野支局」のサポートを受けつつ、さかさま不動産に想いを掲載。同年末に心境の変化から希望エリアが変更となり、長野辰野支局へ共有したところ、ちょうど同支局が空き家バンクにて相談を受けていた物件が、該当エリアかつ抵当権が外れるタイミングだったため内覧・成約となりました。
(4月より天井や壁をDIY。5月中旬オープン予定)
家主:手放したかった家が、集落の福祉的機能を備える場へ昇華
成約物件は、中山間地域の集落にある築100年以上の戸建(長野県辰野町)。家主の親が他界後15年程空き家でした。
家主(76歳)は高齢のため、家の管理(草むしりなど)が負担となっており、空き家バンクへ登録。「誰か住んでくれたら嬉しいけれど、こんな山奥で使う人なんていないだろう」と考えていました。
今回長野辰野支局から「買主候補としてこの人いかがですか?」と菊地さんの紹介を受け、話を聞く中で、菊地さんのNPOメンバーに家主の知り合い(親友の妹)がいることが発覚。近しい関係性に安心感を得たのに加え、集落に自立的かつ能動的なコミュニティ拠点ができることで、子どもの居場所と高齢者の見守り機能が備わり、福祉的な観点からも効果を生む受け渡しとなりました。
家主・支局・買主間にて「拠点が完成したら、お墓参りのついでにお茶飲みにきたりして下さい」といった会話が行われていました。
支局:さかさま不動産と空き家バンクの相乗効果
空き家を地域の資源として捉え、官民連携で移住やまちに関与してくれる人材と繋がる仕組みづくりを図る「長野辰野支局」。さかさま不動産にて”人”の情報を得てから、空き家バンクにて適切な”物件”に繋ぐ相乗効果が視えてきました。
また今回、潜在的空き家の掘り起こし目的で、菊地さん(買主)のさかさま不動産掲載記事を印刷の上、該当エリアで回覧版をしたことで、拠点開設前から地域内の理解を得られる副次的効果にも繋がりました。